睡眠薬を使用すると、服用から1時間ほどが経つと血液中におけるその濃度がピークに達します。
その後は徐々に濃度が薄れていくのですが、この間に睡眠薬の効果が現れるという仕組みになっています。
短時間型の睡眠薬であれば、眠っている間に血液から睡眠薬の成分が消え、いつしか効果が消えてしまいます。
しかし、長時間型の睡眠薬の場合、効果の持続時間が睡眠時間を超えてしまう可能性があり、起床後も効果が持ち越されることが考えられるのです。
すると、朝起きた後もしばらくは眠気が残り、ふらつきをも引き起こしてしまいます。
これは特に高齢者に多い副作用です。
高齢者の場合、眠気やふらつきによって転倒したりと、重大な怪我を負ってしまわないよう更なる注意が必要となります。
上記の眠気やふらつきは長時間型睡眠薬を服用した場合に起こりがちな副作用ですが、物忘れは超短時間型や短時間型といった持続時間が短い睡眠薬に見られる副作用です。
超短時間型や短時間型の睡眠薬は、効果の持続時間が短い分、服薬して比較的早いうちに強い効果が現れ出します。
睡眠薬の効果が現れているということは、脳は眠っている状態にあるということなのですが、これが就寝の前後だと体は起きているという不思議な状態になるのです。
そのため、睡眠薬を服薬してから就寝までの間に何らかの行動をとったとしても、翌朝目を覚ましたときにはそのことを忘れてしまっています。
ただ、眠気やふらつきが頻繁に見られる副作用であるのに対し、物忘れはそれほど多い症状ではありません。
睡眠薬への耐性とは、つまるところ体が睡眠薬に慣れてしまい効きにくくなってしまうことですが、現在利用されている睡眠薬は服用方法を誤らない限り、睡眠薬が効きにくくなったり効果が落ちることはありません。
しかし、何年にも渡って使用し続けていると耐性が付くということは、可能性としては充分に考えられます。
その場合、決してご自分の判断で無闇に服用量を増やしてはいけません。
耐性に限ったことではありませんが、何らかの副作用が現れたなら必ず医師の相談を受けましょう。
煙草やアルコールでよく知られている依存性とは、“それ無しではいられなくなる”という効果で、睡眠薬の依存性には身体的な効果の身体依存と、精神的な効果の精神依存があります。
そのうち身体依存は「反跳性不眠」と呼ばれる依存症です。
長期間睡眠薬を服用し続けていると、服用を中止した際にそれまでのリバウンドとして、数日間睡眠薬無しでは眠れなくなってしまいます。
この副作用が見られるのはベンゾジアゼピン系睡眠薬で、中でも超短時間型や短時間型の睡眠薬の場合に起こりやすくなっています。
しかし、近年開発されたばかりの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬なら、反跳性不眠の可能性が低いものもあります。
精神依存は、うつ病といった心の病が不眠症の原因となっている人に起こりやすい依存症です。
身体依存が実際に睡眠薬の効果が無くては眠れない副作用であるのに対し、精神依存は本当は睡眠薬が無くても眠れるはずなのに、睡眠薬が無くては眠れないという思い込みによる副作用です。
この傾向が強いと、単なる思い込みに留まらず、本当に睡眠薬を服用しなくては眠れなくなってしまう可能性もあります。
もとは思い込みですので睡眠薬の種類は関係ないのかと思いきや、超短時間型や短時間型の睡眠薬に多く見られる副作用であることが判っています。
というのも、これらの場合睡眠導入剤として使われ、服薬の効果を自覚しやすいためです。
睡眠薬の効果がはっきりとわかると、それに頼る心が徐々に形成されていき、その結果精神依存へと至ってしまうのです。
幾つかの副作用の中でも、この精神依存は対策が特に難しい副作用とされています。